自ら筆を折ったため、推理小説家としての活動期間は短く、作品数も少ない。
一方、風刺のきいた特有のユーモアが光る作品や活動の評価は高い。これぞ、太く短く。
生涯
聖職者の一家に誕生。
オックスフォード大学卒業後は数年ほど教鞭をとり、やがて聖職者の道へ進んだ。
ローマン・カトリックに改宗、2年後に司祭になり、36年には英国内第2位にまで昇り詰める。
1937年『Double Cross Purposes』を最後に筆を折り、以降、推理小説は発表していない。
聖職者としては『ウルガタ聖書』をラテン語から翻訳する仕事が評価されている。
当時、BBCラジオ放送で流した情報によって英国を混乱に陥れたこともある強者。
早熟で多才を発揮し、シャーロック・ホームズについての論文を手がけ、コナン・ドイルに送った学生時代なら想像に難くないな、と。
処女作『陸橋殺人事件』は最後に手に取る推理小説であると評されて古典名作としてその名を刻んだ。ディテクションクラブ所属経験もあり、推理小説の繁栄に力を注いだ。
そのうちの1つの取り組みとして、『The Best of Detective Stories of the Year 1928』(邦訳:『探偵小説十戒』)の序文における〝ノックスの10戒〟提唱があげられる。
私立探偵マイルズ・ブリードン シリーズ
『三つの栓』(1927年)
長編作品
原題:『The Three Taps』
『閘門の足跡』(1928年)
長編作品
原題:『The Footsteps at the Lock』
『密室の行者』(1931年)
短編作品
原題:『Solved by Ivspection』
『サイロの死体』(1933年)
長編作品
原題:『The Body in the Soil』
『まだ死んでいる』(1934年)
長編作品
原題:『Still Dead』
『Double Cross Purposes』(1937年)
長編作品、未訳
以上、短編1作、長編5作は マイルズ・ブリードン を探偵役とした作品である。
ノンシリーズ
『陸橋殺人事件』(1925年)
長編作品、処女作
〝最後に手に取るべき推理小説〟
原題:『The Vaiduct Murder』
陸橋から転落したと思われる顔が潰された遺体――破産した男が自殺したのだと周囲が思い込む中、4人の探偵役が調査を開始。自身らの推理合戦を繰り広げる。
〈列車の時刻表〉〈壊れた腕時計〉〈暗号〉など、推理小説でおなじみのガジェットがたくさん詰め込まれている。
アイロニーなウィットに富んだ特有のユーモアが光るメタミステリ。
評論
アンソロジー企画
『The Best of Detective Stories of the Year 1929』(1930年)
未訳
『一等車の秘密』(1931年)
短編作品
原題:『The Adventure of the First-Class Carriage』
『シャーロック・ホームズの栄冠』に収録
リレー小説
『漂う提督』(1931年)
長編作品(第8章担当)
原題:『The Floating Admiral』
英国ディテクションクラブ企画
黄金時代を代表する推理小説家らによる合作
プロローグ G・K・チェスタトン
01 C・V・Lホワイトチャーチ
02 G・D・H&M・コール
03 ヘンリー・ウェイド
04 アガサ・クリスティ
05 ジョン・ロード
06 ミルワード・ケネディ
07 ドロシー・L・セイヤーズ
08 ロナルド・A・ノックス
09 F・W・クロフツ
10 エドガー・ジェフスン
11 クレメンス・デイン
12 アントニー・バークリー
『ザ・スクープ』(1931年)
長編作品
原題:『The Scoop』
黄金時代を代表する推理小説家らによる合作
表題作は12章編成
『屏風のかげに』収録
『屏風のかげに』(1930年)
長編作品(第5章担当)
原題:『Behind the Screen』
1 ヒュー・ウォルポール
2 アガサ・クリスティ
3 ドロシー・L・セイヤーズ
4 アントニー・バークリー
5 ロナルド・A・ノックス
探偵役
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