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探偵役とともに推理したい! 伏線回収講座

目次

はじめに

――だから、あの行動が必要だったんだ!

――もしかして、あの言葉も?



作中に散りばめられた伏線をどれだけ見つけられるか。

これはミステリー作品を推理しながら楽しむときの重要ファクターのひとつです!

しかし、伏線は読んで字の如く探偵役によって謎が解明されるまでは、気にせず読み流してしまったり、読み進めているうちに頭から抜けてしまったり……。

では、どのように探して楽しめばいいのか。
伏線の定義や伏線回収の楽しみ方についてまとめました!

伏線とは何ぞや?

言葉の意味としては、先の展開をほのめかすために作中でちりばめられる内容のことです。
さまざまなジャンルの作品で活用され、感動や快感を提供します。

推理作品において、これは、 真相解明のためのヒント とも言い換えられます。

伏線が無ければ、作品は謎も手がかりも提示できません。
探偵役が堅実な論理を組み上げたり華麗な推理を披露するには、必要不可欠な存在です。

伏線には、2種類――見える伏線、見えない伏線があります。


まずは、見える伏線について。

このときの〝見える〟というのは、指摘されなくとも重要な情報だと判断できる類であることを指しています。
先の展開を予想させて、期待値や緊張感を高めるためのものです。
本格推理小説で見かける「読者への挑戦」や探偵役が興味を抱いた素振りを見せる描写などが該当します。


お次は、見えない伏線について。

このときの〝見えない〟というのは、重要な情報だが見逃してしまいかねないと判断できる類であることを指しています。
鑑賞後または謎が解明される際、騙された快感や満足を得るためのものです。
地の文に綴られる状況・情景の描写や登場人物の言動にさらりと紛れている情報が該当します。

やってきました、伏線回収!

読者だって、探偵役のように物語の進行とともに推理したいことだってあるんだ!
ということでね。
推理小説を読む際、推理しながら読むことに挑戦したい方へ向けて進めていきます。

作中の伏線をすべて見逃すことなく回収することができれば、我々だって論理を構築できるんです。
だから、エラリークイーンや有栖川有栖をはじめとした一部の推理小説家(敬称略)によって読者への挑戦が行われます。

「解明に必要な情報はすべて提示した。この謎、解けるか?」と。

ここまで言われたら、誰だって解きたくなるものです。
一方。伏線はどちらの種類であろうと、作品によって表現・質・量はそれぞれ異なりますから、見つけるのは慣れていても難しいです。
推理しながら読み進めると読了後に待っているのは2つ。

完璧に解明できたときの快感やカタルシス OR 不完全な推理になってしまったが故の著者への尊敬
(これが、伏線回収が見事な作品は総じて読了後の満足度が高い理由です。)

どちらにしろ著者の次作への期待は高まりますし、新しい読書の楽しみ方を感覚的に学べます。

ポイントは2つ!

考えながら読み進めること

読んでいる時点で頭は使っているわけですけれども。

推理小説の探偵役の推理というのは、いわゆる、論理の構築ですから提示された謎に対する合理的な解答。
前述のとおり、伏線は真相解明のためのヒント――探偵役が作品のラストで明かしてみせる解答を構成する重要な情報です。

登場人物の言動における真偽や地の文にちりばめられた違和感は、見えない伏線の中でも比較的探しやすいでしょう。
読書時間は倍以上必要になりますから、お時間が十分確保できるときに挑戦してください!

違和感・ミスリードになり得る表現を、知識として蓄えていくこと

日本語は難しいのでね。

例えば「たくさん本を読もう!」

数多くの書籍を読むことを推奨しているのか( Let’s read a lot of books! )
ある書籍を何度も読むことを推奨しているのか( Let’s read the book many times! )

このときのたくさん・・・・というのは、何に掛かっているでしょう?


主語が省略・不明瞭な日本語だからこそ自然な表現や著者が意図的に成す表現は、フェルマーに習って余白が足りないことにしておきます。
ただ、記憶に一般化したものを留めておいて必要な場面で活用できると、伏線は見つけやすくなります。
なんだか受験勉強を思い出させる表現ですが、好きで挑戦することなので努力しやすいですし結果が出るのもコンスタント。
知識にまで昇華するには、本をたくさん読む必要があります。
がんばってください!

おわり

さて。

推理ジャンル作品における伏線の重要性はご理解いただけましたか?

上記コンテンツを反芻して「……?」となるときは、ひとまず綾辻行人(敬称略)著作『十角館の殺人』や探偵エラリークイーンが活躍する作品をお勧めします。

慎重に内容を覚えながらご自身で推理を進めてみることで〝伏線〟を体感&理解すること間違いありません!!

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