第1話 問題編 『いちご50%①』
『いちご50%』 出題者 『空欄《The Null》』
◆問題◆
次の空欄に、下の選択肢の中から一つを当てはめて、犯人を特定せよ。
犯人特定に最も重要な要素は、____ である。
◇選択肢◇
「いちごパンツ」・「ロングマフラー」・「密室」
◆◆登場人物◆◆
Aカップル:東山あずさ 右峰 あきら
Sカップル:北口さなえ 上島 さとる
Nカップル:西川なぎさ 左屋 なおや
Mカップル:南町まなみ 下田 まこと
─────────────────
「修学旅行、行けてよかったね」
あずさが前の席の背もたれにあごを乗っけて、後ろに座るあきらに話しかけた。
「そうだな」
コロナ禍のさなか、規制が緩和されて夏に行くはずだった修学旅行がずれにずれて真冬のこの時期に行くことになったのだった。
「本当は夏に行きたかったところだけど」
「良いじゃない、思い出作りができるんだから、4組のカップル全員で!」
あずさの隣に座っていた北口さなえが話に割り込んだ。
「あずさとあきらくんのAカップル、私とさとるのSカップル、なぎさとなおやくんのNカップル、まなみとまことくんのMカップル、全員、一緒の班になれたんだし。このままずーっと付き合えるといいよね」
カップルそれぞれ名前のイニシャルが一緒だったので、たまにそう呼ぶ。いや、呼んでいるのはさなえだけかもしれない。
「これで一組破局してたら悲惨だったな。8人4組の班だからな。余った2人が元彼&元カノなんて気まずすぎるからな」
バスの席の通路を挟んで向こう側に座っていたまことが笑った。
「もう、縁起でも無いこと言わないでよね!」
まなみがまことの後ろの席から身を乗り出して声を上げた。
「はいはい、静かに。あんまり騒ぐと、寝てる先生起こしちゃって、怒られちゃうよ、ね?」
クラス委員のなぎさが声を潜めながら注意した。「はーい」「すみませーん」「もうしませーん」「引率の先生が寝てるのは問題だと思いまーす」「がやがやしない」
とはいえ、こうして声を潜めて話しているのは彼女たちだけではない。このバスに乗る他のクラスメイトも、やっぱり先生を起こさないように、声を潜めて会話しているのだった。
「これだけうるさくても寝ている先生、死んでんじゃね?」
「あとで写真撮って、教頭先生に見せようぜ」
「こら、どうせ後で怒られるんだからやめなさい」
「はーい、なぎさ先生」
「んもぅ」
先生よりもしっかり者のなぎさにたしなめられると、大抵話は一区切り。
「と・こ・ろ・で、なぎさ先生の履いてるやつ、短くないですか?」
「ひゃっ」
まなみがダッフルコートの裾からのぞく絶対領域の部分をつついた。
ダッフルコートとニーハイに挟まれた絶対領域には、雪のように白い肌がちらりと見えた。
「もしかして何も履いてなかったり?」
「ばーか。そんな訳ないでしょ。今日はアスレチック行くんだから」
「しかも、人生初のバンジージャンプもやるからね!」
「動きやすい格好じゃ無いとなぁ」
「パンツを覗こうったって、そうはいかないからね!」
「ちぇー」
「あきら、神風に期待ですな」
「神風って?」さとるが神妙な顔つきで、さきほどよりも声を潜めて言った。「スカートをめくる一陣の風。それを人は『神風』って呼ぶんだよ」
「聞こえてるからね」
さなえがあきれた顔でにらみつけた。
「ほんと男子って、懲りないよね」
「そこにスカートがある限り、求めるモノなんだよ。そこに山がある限り上るのが登山家だろう?」
「はいはい、あなたたちだけで勝手にやってなさいな」
「なおや、元気ないじゃん。どうしたんだ?」
さっきから一言も発しないなおやを気遣ってまことは話しかけた。
「俺、高所恐怖症なんだよね……。バンジージャンプ、どうにか回避できないかなぁ」
「がんばってよー! バンジージャンプ終わったら、皆で『しあわせの鐘』を鳴らすんだから。二人で写真を撮ると幸せになれるんだよ? ねー、なぎさ先生」まなみが話を振った。
「んー……。でも、なおやが無理そうなら、ほんと、無理しなくてもいいからね?」
「いや、なるべく、がんばるよ」
なおやの目には、覚悟のようなものが見えた。
「よし、恐怖に打ち勝ってこその幸せだー!!」
「右峰!! うるさいぞ!!」
居眠りから覚めた先生が、不機嫌そうな顔であきらの席まで歩いてきた。
「やべ……」
「ぐー、ぐー」
さっきまで周りにいて一緒に話し込んでいた生徒は皆自分の席について、寝たふりをしていた。
「ちくしょう。都合のいいやつらめ」
あきらはその後、先生の部屋に呼ばれて小言を言われることになったのだが、それはまた別の話だった。
◆◆◆
「たっかいねぇ!」
目の前にある吊り橋は、高さ100メートル。向こう岸までは400メートル弱あるとのこと。とても大きく、風も強い。吊り橋自体はあまり揺れていないが、高さと緊張で自分の身体が揺れている気がする。とてもじゃないが、下を見られたものではない。
東京タワーのガラスで仕切られた床から真下を見たことはあるが、あれはガラス越しの世界。飛んでも跳ねても、間違っても落ちることは無い。
けれども、吊り橋の場合、万が一があり得る。いや、そのための安全ロープや網は張ってあるが、だとしてもやはり、恐怖が足下からぞわぞわと伝ってくるのを感じた。
風の音がびゅーびゅーと恐ろしかった。
「これが、神風の音か?」
「いやぁ、さすが神様だわ。おそろしい」
「じゃ、東山あずさと右峰あきら。その後は北口さなえと上島さとる、西川なぎさと左屋なおや、南町まなみと下田まことの順にレッツバンジーだ。最後に先生が渡るからな」
「先生びびってんじゃないの? 一番先に行ってよー」さとるが抗議をした。
「教頭先生が先に行っちゃったから、俺が最後にみんなを見て回らないと行けないんだよ。ほら、順番だから行った行った!」
なおやはぎゅっと、なぎさの手を握った。
『しあわせの鐘』を鳴らすためには、バンジーイベントを乗り越えなければならないようだ。
「なぎさ、オレ、がんばるから」
「うん。でも、無理しないでね?」
「ええ子や……」まなみはほろりと、流れてもいない涙を拭った。
「ほら、あきら! 私たちが最初なんだから、早く行くよ!」
あきらの手を引っ張って、あずさはずんずんと吊り橋を渡っていった。
あきら&あずさ、さとる&さなえは無事5分以内にバンジーを成功させた。しかし、なおやは青い顔をしてギブアップをし、先生に付き添われて先にホテルに帰っていった。
第2話 問題編 『いちご50%②』
ホテルに帰って荷物を置いた後、夕食の時間までは少しの自由時間があった。コロナ禍のこともあり、一人一部屋が用意されていた。オートロックでセキュリティも万全だ。
あずさとさなえ、なぎさとまなみは女子四人で、なぎさの部屋に集まっていた。
几帳面な性格のなぎさは、今日着ていた服はコート以外はすべて洗濯をして、部屋に干していた。
「なおやくん大丈夫そう?」
「うん、さっき医務室にいったら、赤ちゃんみたいな顔で寝てたよ」
「『しあわせの鐘』をふたりで鳴らせずに残念だったねー。今度鎌倉にある「龍恋の鐘」鳴らしに行こうよ。あそこならなおやくんでも平気でしょう?」
まなみがスマホで『鐘』『恋』『成就』で検索してヒットしたものを教えてあげた。
「うん、ありがとう。それがいいかもね。どこにでも、そういうのってあるものね」
「うんうん。それにしてもなぎさ、今日は短いの履いてきてなおやくんに猛烈アタックしてたと思ったら、ホテルに着くなりかわいいのに着替えちゃってるじゃん。それも『ストロベリー・ジョセフ』の新作でしょ?」
なぎさは部屋着というか、パジャマを着ていた。イチゴ柄のかわいいパジャマだった。
「うん。本当はなおやくんに見せたかったんだけど。でも、着ないのももったいないしさ」
「医務室で一緒に寝ちゃえば? バレないバレない」
さなえがなぎさの耳元で話すと、なぎさはかっと耳を赤くした。
「まーたさなえ、変なこと言ったでしょ。だめだよ、なぎさは純なんだから」まなみは長い髪をくるくると繰りながら言った。
「私もお風呂入ったら着替えて、準備しよ」あずさがベッドから立ち上がった。
「ね、遊びに来てくれるかな、さとる」
「こっちから行くより、やっぱり来て欲しいよねー」
「やば、部屋片付けとかないと」
「あずさ、この短時間で部屋が汚くなるってやばくない?」まなみがドン引きした。
まもなく夕食時間。
その後は朝まで、消灯時間という名の自由時間が待っていた。
「じゃあねー、なぎさ。また後で」
「うん。また後で」
なぎさの部屋から3人が出て行った。
◆◆◆
夕食時間を終えて、なぎさは部屋に戻るとソファに座った。
一応、訪ねてきてくれた時のために、部屋はキレイに片付けておいた。部屋干ししていた洗濯物は、まだ湿っぽかったので、風呂場に干し直しておくことにした。
お風呂に早めに入った後、軽くメイクを済ます。
リップを塗って、鏡を見た。
ん。大丈夫。ちゃんとかわいい。
コンコン
ノックの音が聞こえた。
「はーい」
お気に入りのもこもこスリッパは私の募る気持ちを包み込んでくれているように感じた。ドアの元に駆け寄る。
なぎさは鼓動が少しずつ早くなっていくのを感じた。
◆◆◆
夕食後、あきら、さとる、なおや、まことは大浴場に入っていた。班ごとに時間が割り振られていて、あまり長居はできないが、今日一日の疲れを癒やしていた。
「なおやは平気そうか?」
「夕食前に医務室に見に行ったけど、寝てたよな」
「なんだ、来てたのか」
「寝たふりしてたんじゃないのか?」
「顔の前でおならしたけど起きなかったよ」
「あきら、お前最悪だな……」
「さらに体調悪くしてどうする気だよ……」
あきらにドン引きの3人だった。
「いやー、でも吊り橋の時は大変だったよな」
「神風吹きっぱなしだったよな」
「いや、あれは神風って言わないよ」まことは訂正する。
「あきらは知らないかもしれないが、後から行った俺たちは、バンジーで飛び込む人たちを上から見ていたんだ」
「だろうな。それで?」
「ばっちり見えたぜ。あずさちゃんがいちごパンツ履いてたとこ」
さとるが親指を立ててにっこりと笑った。
「ばーか。なんちゅう報告だよ。いちいち言わなくてもいいよそんなこと」
「なおやも見ただろ? なおやは3番目にバンジーしに行ったんだから、1番目のあずさちゃんと、2番目のさなえのバンジーを見ていたはずだからな」
「まぁ、見えたけど」
「すっご。なおや、ずっと震えてたくせにちゃんとチェックしてんのな」
「うーん。でもなぎさが何履いてるかまでは分からなかったな」
「いちごとストライプ、2人ずつだったよ」
一番最後にバンジーに挑んだまことは、事もなさげに言った。
「一番最後に飛んだやつは、こういうとき役得だよなぁ」
「いや、あきら。役得はそういう意味じゃ無いよ」まことが軽くたしなめた。
「いちごとストライプが2人ずつか。ってことは? なぎさ先生は?」
さとるが再度聞き直すが、なおやは首を振る。
「さぁね。わからないってば」
「ふむ。さなえはストライプ履いてたし、まなみちゃんは……」
「パンツはこれから先いくらでも拝めるだろ。どうする? 今日部屋に行っちゃうか?」
「俺は今日はやめとくわ。格好悪いとこ見せちゃったし、正直まだ気分が悪いんだ」
なおやはこめかみを抑えて言った。
「ま、二泊三日だからな。こういうのは最後に取っておいた方が良いのかもしれないな」
「明日はどこに行くんだっけ?」
「自由散策。美味しいモノ食べに行ったり、展望台登ったり、博物館行ったり」
「展望台は行かないよ、俺は」なおやが笑って言った。高所に行ったらまた具合が悪くなってしまう。
「んだな」
「そんじゃま、明日楽しむために、今日は早めに寝ますか。向こうにはラインしとこ。夜更かし良くない!」
「おっけー。じゃー、また明日」
◆◆◆
「なぎさー、どうしたのー?」
翌朝、起きてこないなぎさを、まなみは部屋まで迎えに来たのだった。
「すみませーん。お願いします」
ホテルの人にカギを開けてもらう。オートロックだから、なぎさの部屋はなぎさにしか開けられない。
「なぎさー、早く支度しないと皆先に行っちゃう……、え」
なぎさはホテルのソファで眠っているように見えた。
しかし顔は白く青ざめて、口から泡を吹いていた。
「な……なぎさ! なぎさ!! 何! どうして!?」
肩を揺らしても応答が無い。
「先生! きゅ、救急車!!」
部屋を出て、先生たちのいるロビーへ走り出した。
なぎさの部屋のドアは勝手に閉まり、「ウィーン、かちゃり」とカギが締まる音がした。
第3話 推理編 ブレイクタイム
「……………………」
修学旅行の一幕のようだった。
今回は登場人物が多い。
イニシャルAのカップル。
東山あずさ、右峰 あきら。
イニシャルSのカップル。
北口さなえ、上島 さとる。
イニシャルNのカップル。
西川なぎさ、左屋 なおや。
イニシャルMのカップル。
南町まなみ、下田 まこと。
細かく抽出すると、担任の教師と、教頭。計十人もいる。
「『空欄』の問題って、いつもこんな感じなの? さっきのは理系の問題って感じだったのに、今度はまるで文系の問題みたい」
問題編❷の冊子をパタパタとうちわのように扇いで『溺愛』は口をとがらせた。
「ま、そういうのが好きなんだよ、あいつはな。今度の問題はフーダニット。『犯人当て』ってことだ」
店主はにやりと不敵に笑う。
「なぎさって生徒が死んだみたいだね」
まだ誰も殺されていないところから、誰が殺されるかを推理するのも、ミステリーでは面白いと思う。
2時間サスペンスでは、大抵は関係者皆から恨まれている人が殺される。時間が限られているので、動機はわかりやすい方が良いからだろう。
「俺はあの問題の空欄には『いちごパンツ』が入ると思うぜ。男子連中が、誰の彼女がどのパンツを履いているか喋っていただろ。あれは絶対に推理に必要な項目だ」
犯人の特定に『いちごパンツ』が関わると言われても何もピンと来ない。来るはずもない。
「でもまさかストロベリー・ジョセフの新作パンツが問題に出てくるとはねー。すっごい偶然だと思わない?」
『溺愛』が椅子から立ち上がって、くるっと一回転をした。印象的ないちご柄のスカートはふわっと浮き上がった。
「そのスカートもストロベリー・ジョセフっていうブランドってことか」
聞いたことあるような、無いような。
ファッション関係はあまり詳しく無い。
「『溺愛』はその新作パンツ、チェックしていたのか?」
「まぁね。有名デザイナーが手がけたものだったから。でも私はスカートだけにしちゃった。ね、Sさま。Sさまは『いちごのパンツ』と『ストライプのパンツ』ならどっちが好き?」
「…………そんなの推理に全く関係ないだろ。パス」
「いいや、この問題は『パンツの柄が何であるか』がとても重要だ。『怠惰』のパンツ愛の深さがどの程度であるか、GMとしても確認しておきたい」
いつになくしつこい。
「そんな方便に付き合う道理は無いんだよ」
「GM権限として、問題の続きを渡さない、という処置もあるんだぜ」
問題編の続きの冊子をひらひらとこちらにちらつかせる。
僕の好みを聞くためだけにどうしてそこまでするんだ!
「まぁ……、いちごパンツよりは、縞パンだな」
何を言わされているんだ僕は……。
僕は頭が痛くなった。
「そっかー、ストライプの方が好きなんだー。確かに、いちご柄ってちょっと幼いわよねぇ」
「なるほどなるほど、『怠惰は縞パンが好き』……と」何に使うのか知らないが、店主はメモを取っている。
「いいから早く問題の続きを渡せ!」
店主が持っていた冊子をひったくるように奪って、僕は続きの問題を読み進めることにした。
第4話 問題編 『いちご50%③』
「ふわぁ~あ、せっかくの年末だってのに、台無しだよな」
目の前に広がる光景に辟易した。
百歩譲って、年の瀬に勤務していることは良いとしよう。俺たちの仕事は平日休日祝日だなんて関係が無いからだ。事件が起きれば捜査する。それが警始庁捜査一課の刑事ってものだ。
しかし、だからといってよりにもよってもういくつ寝るとお正月だというこの時に人が死ななくたっていいじゃないか。仏さんの無念を晴らしたい。その気持ちがいつもより一層強く感じられた。
しかもなんだ、被害者は修学旅行に来た生徒だと言うじゃないか。
どうして亡くなってしまったんだ。俺たちが出張って来てるんだから、殺しか?
「被害者は西川なぎさ、方眼高校の生徒です。今日から28日まで、二泊三日の修学旅行に来ていたッス。死因は窒息死ッス」
「おい、またか」
「いえ、先日の遺体の死因は二酸化炭素中毒だったようですが、この遺体の死因は一酸化炭素中毒とのことッス」
「一酸化炭素中毒? その一酸化炭素の出どころは分かっているのか?」
「ホテルの室内の石油ストーブと考えられていますが、ホテルは24時間換気していますし、別段換気扇にも異常は見られなかったッス。一応変死扱いで、我々が出動したッス。電話ボックスの現場と場所も近かったッスから」
二酸化炭素中毒の後の一酸化炭素中毒……。何か繋がり……符合のようなものを感じる……。
「に……、いち……、ぜろ……。これは、まさか年越しのカウントダウンを表しているのか! 見立て殺人……!?」
いや、まさかそんなことは無いだろう。
セルフツッコミもそこそこに。
遺体の写真を見せてもらうことにする。
遺体は可愛らしいモコモコの部屋着を着ていた。顔は青ざめ、生気を感じられなかった。
首元には何の変哲もないロングマフラーを付けていた。
「部屋着を着ていて、室内でマフラーを付けていた……? 何かおかしくないか?」
「暖房付けていなかったンスかね」
「そもそも一酸化炭素中毒なら暖房を付けていたはずだな」
部屋着はモコモコとはいえ、丈は七分程。比較的薄着なため、やはりマフラーは違和感がある。
「このマフラーに引火して燃えて、火事が起きた……みたいなことは無いのか?」
「室内の火災報知器は動作していませんし、部屋のどこにも、マフラーにも焦げた跡はありませんでした。それに、一応言っとくと、現場は密室ッス」
「密室、だと……?」
「まぁ、オートロックッスからね。被害者が招きいれれば出入りは自由ッス。それにしたって、被害者は女子生徒ですから、誰でも部屋に入れるとは思いません。方眼高校の関係者の中の誰か、だとは思いますが、そもそも捜査一課の方針は殺人ではなく事故死だと見ているッス」
「オートロックッス……。聞いたことないな……」
「……あ、いや、『ッス』は要らないッス。まぁ、『自動的にカギが閉まる扉』とだけ分かっておけば大丈夫ッス」
「なるほど。オートロックに酷似しているな」
コバヤカワは下手に訂正すると怒られると思い、そのままの勢いでいくことにした。
風呂場を見ると、何点かハンガーに吊るされた衣服が目に入った。
可愛らしい柄のパンツが見える。
「ふむ」
「どうしたッスか? そのパンツは、被害者が死んだとされる日の日中に被害者が履いていたパンツとのことッスよ」
男子生徒がそう証言してたッス。とコバヤカワ。
「被害者と当日、行動を共にしていた生徒たちの話を一応聞いておこうか。自殺にしろ事故死にしろ、殺人にしろ。彼らが事件に関係しているだろう」
「修学旅行、二泊三日の一泊目で自殺するとは考えにくいッスよね」
そう。
二泊三日の一泊目に告白するとは考えにくいように。
同じ班にいた彼ら彼女らの証言をまとめたリストを見る。
「なるほどな……」
「な、何か分かったッスか? 先輩!」
「あぁ、何が重要か重要じゃないか。それを見定めて選り分けるのは一流の人間の定めだ」
コバヤカワは、先輩の刑事の目が、何かを捉えて離さないのを感じた。気のせいかもしれない。
「いちごパンツを履いていた人間が誰か。それが問題だ」
……やはり気のせいだったようだ。
問題編 完
第5話 推理編 パンツに囚われた『怠惰』
恥を犠牲にして得た問題編を読み終わり、状況を整理する。
先ほどの問題編①、電話ボックスの事件と比べると、登場人物も多いし、整理する証言も多い。
まずは問題の明確化を進めるべきだ。
『ハウダニット』。被害者をどのように殺したか。
「今回の凶器は、問題編①のときに話していた『ロングマフラー』で間違いないか? 『最強』」
『最強』と呼ばれて、恭しく店主は頷いた。
「あぁ、問題ないよ。仕組みを明かさないのはフェアじゃないので話すと、このロングマフラーは、2種類の糸で編まれているんだ。1つは燃えない不燃性の毛糸。もう1つは一酸化炭素を発生させる毒の毛糸。燃える方の毛糸だけに点火し燃やすことによってマフラーを巻いた本人だけが一酸化炭素中毒で死に至る。不燃性の毛糸は燃えずに焦げずに残る。被害者の首に残るのは、見た目普通のマフラー、だ」
TRICK ROOMの主力商品、独創的な凶器を取りそろえる狂気の雑貨屋『GIMMICK ROOM』。
せっかく開発したのだから、使ってくるかと思ったが、ここだったか。
「そんな都合よくいくか? 遺体の肌や髪の毛が焦げたりしないとは限らないだろ?」
「マフラーの編み方を立体的にして、空気を閉じ込めさせている。その不燃の毛糸の檻の中に1本分だけ燃える糸を通した。最新技術を使用した毛糸は灰も残らない。純度100%の一酸化炭素の毛糸だ。これによって、空気を閉じ込めた保温性、最新技術の毛糸による致死性、証拠の残らない確実性が揃った完璧な凶器になっているんだ」
保温性、要るか?
「死の毛糸は被害者の首元、口元の周りで燃え尽き、ちょうど死ぬくらいの量の一酸化炭素しか発生しない。無用な死人は出さない安全安心に配慮した作りになってる。遺体の肌や髪の毛が焦げたりはしない。大丈夫。TRICK ROOMの凶器だよ? 試しに使ってみるかい?」
「お前の首に巻いてやってやろうか」
店主が取り出したチラシをもらった瞬間丸めて捨てた。
効果は折り紙付き。そこを突っついても謎は解けない、ということか。
「つまり、何かしらで眠らせた被害者にマフラーを巻いて、毒の毛糸に火を付けて現場から立ち去れば、被害者は一酸化中毒で死に、証拠は燃え去って、現場はオートロックで密室になる。事故死に見せかけて殺すトリックの完成というわけだ」
『密室』のおかげで真犯人は逃げおおせることができる。警察は凶器である『特製のロングマフラー』に気付くことはできないからだ。
しかし『密室』は、問題文にあるとおり、犯人の特定に必要な情報であるかと問われれば、違うだろう。
「僕たちにとって、凶器の『ロングマフラー』を被害者の首に巻くことができた人物を特定することが、この問題を解くたった一つの方法だ」
「なぎさちゃんを殺すことができた人物。登場人物は同じ班のなぎさちゃん以外の7人。ダークホースで先生か教頭?」
『溺愛』が言うとおり、登場人物が多い。
Aカップル:あきら、あずさ
Sカップル:さとる、さなえ
Nカップル:なおや
Mカップル:まこと、まなみ
先生と教頭。計9名なり。
『フーダニット』、犯人当て。この中から犯人を当てなければならない。
「問題編の最後に刑事が『誰がいちごパンツを履いていたかが問題だ』って話してたけれど、これ何かのヒントなのかな」
「『空欄』の問題の選択肢にも『いちごパンツ』はあったからな。言葉通りに捉えれば、ヒントかもしれないぜ」
店主はにやりと笑う。
僕は店内に設置されているホワイトボードに、努めて簡略的に表を書いた。
「皆は『4人の囚人』という論理クイズを知っているか?」
「4人の囚人?」
「知らなーい」
「A、B、C、Dの死刑囚4人に、あるゲームを命令したんだ。それぞれ指定された場所に立たせて、目を瞑らせ、赤と白のどちらかの帽子をかぶらせた。目を開けて、前だけを向かせる。そして、自分のかぶっている帽子の色を当てることができたら、釈放してやると。もし間違えたら即その場で射殺すると。そういうゲームだ。さぁ、誰が自分のかぶっている帽子の色を当てられると思う? ただし、帽子の色は赤と白が2つずつだ」
『怠惰』は簡単な絵を描いた。
「えー? AとDは何も見えないよね。BはAが赤い帽子をかぶっていることがわかるけど、それだけじゃ何もわからないじゃない?」
「Cは、AとBがそれぞれ赤と白の帽子をかぶっていることがわかっても、それが直接自分のかぶっている帽子の色と結びつかないから、やっぱり分からないよな。もしAとBが同じ色の帽子、たとえば赤い帽子だったなら、Cは即自分の帽子が白だと分かったはずだろうになぁ」
「そう、この問題は論理クイズ。もしAがこう思ったら、もしBがこう考えたら、もしCがこう推理したら……そう考えると答えは自ずと明らかになる。正解はBだ。Bだけが、自分の帽子の色が分かったんだ」
「えー? どういうこと?」
「さっき『最強』が言ったとおり、AもBもCも、最初は自分のかぶった帽子の色はわからなかった。Aは赤い帽子、Bは白い帽子。帽子は赤と白の2つずつ。Cは自分の帽子が特定できない。ならこう考えてみよう。Cが特定できないのはどうしてか? それはAとBが違う色の帽子だからだ」
「さっきも言ったな。AとBが同じ色の帽子をかぶっていたら、帽子は多くても2つしかないのだから、Cはその色以外の帽子をかぶっていることが分かる」
「……と、Bが推理したとしたら?」
「え?」
「AもBもCも、最初は黙っていた。自分のかぶっている帽子の色がわからない。たとえ当てずっぽうでも、二択だったとしても、当たれば釈放だが、外れれば射殺だ。下手なことは言えない。そしてBは気付いたわけだ。Cがどうして黙っているか。AとBが同じ色の帽子をかぶっていたら、Cは考えるまでもない。しかしCは答えられないでいるようだ。それはどうしてか? AとBは違う色の帽子をかぶっているからだ。BにはAの帽子が見えた。赤い帽子。なら、自分はAとは違う白い帽子をかぶっていると」
「ほほーん、なるほどねぇ。頭の体操にはもってこいのクイズだ」
「それが、この問題に何か関わるってこと?」
「カップル4組はバンジージャンプを行なった。今回はA、S、N、Mとしよう。先に飛び込んだ女子のパンツを、後に飛んだ男子が見られたわけだから、位置関係はこうなる」
『怠惰』がまた絵を描いた。
Aは何も見なかった。
SはAのパンツがいちごパンツであることを見た。
NはAのパンツがいちご、Sがストライプであることを見た。
MはA、S、Nのパンツを見たから、最終的に4人のパンツが「いちごとストライプの2人ずつである」ことが分かった、というわけだ。
「ん? あぁ、パンツってそっちの話だったのか」
店主がきょとんをした顔をした。
「そっちもどっちも無いだろう。パンツは普通見えない。バンジーでもしない限りはな」
『溺愛』は冷ややかな目で僕を見た。
まぁ、僕も好き好んでパンツの話をしているのだと思われたくは無かったが、今回は仕方が無い。問題の制作者のせいだ。
「さっきの『4人の囚人』と似ているな。Aは何も見ていない。SはAがいちごパンツである、NはAとSが違う色のパンツを履いていると分かった。Mの言うとおり、『いちごとストライプが2人ずつ』でも、Nは自分の彼女が何のパンツを履いているかわからない。その状況を聞いて、Sだけが自分の彼女のパンツが何であったかわかるってことか」
「そういうこと。これは『4人の囚人』から着想を得た問題だろうね」
「……ん? M、まことはどうして自分の彼女の履いているパンツの種類が分かったんだ? 一緒に飛び込んだなら、分からないはずだろう?」
「そう、まことがまなみのパンツを知っているのはおかしい。まことがまなみのパンツを知らなければ、『いちごとストライプが2人ずつ』と証言することはできない。何故だか分からないが、Mであるまことが怪しいということだけは言えるね」
「……えーと、ちょっといい、Sさま」
「なんだ、『溺愛』には少し難しかったかな」
「いや、なんだかさっきからおかしいなって思ってたんだけれど、もしかして、いや、もしかしなくとも、Sさまってすごい勘違いをしてないかなって思うんだけれど」
「勘違い? 僕が?」
「まことくんが『いちごとストライプが2人ずつ』って証言できるのは普通というか、何もおかしくないって思うよ?」
「…………」
『溺愛』には難しすぎたか。
どこから説明しようかな。そもそも『4人の囚人』問題の前提条件である『赤と白が2人ずつ』。この条件が、A~Dの誰かの証言であるはずがない。A~Dも、A~Mも、すべての色の組み合わせを見ることのできる人なんて誰もいないのだから。
「『溺愛』、もう一度よく聞いてくれ。いいか?」
「Sさま。パンツって、下着じゃないよ。ズボンのことだからね?」
「……………………、は?」
解決編につづく
第6話 解決編 先入観を脱ぎ捨てろ
「パンツって、下着のパンツのことじゃないよ。ズボンのことだからね?」
「………………は?」
「ほら、ストロベリー・ジョセフの新作のパンツ。ズボンのことでしょう?」
『溺愛』がスマホから見せてくれたパンツは、僕がよく知るズボンの形をしていた。
「まことくんが全員のパンツを知っていたのは当たり前だよ。ズボンは覗かなくたって、見えるでしょ? 誰が見ても明らかだったんだから」
「は。いや、…………え?」
前提条件が崩れるどころの話じゃないぞ!!
「あぁ、本当に分かってなかったんだな、『怠惰』。俺は冗談だと思ってたんだがな」
店主は腹を抱えて笑い転げていた。
お前が「そっちのパンツの話か」って言っていたのはそういうことか!! 早く教えろ!!
「4人の囚人な、それも面白い話だが、今回は関係なさそうだな」
「そもそもね、アスレチックに行くのに、バンジージャンプするってのに、スカートを履いてくるなんておかしいと思わないとダメよ、Sさま。いくらファッション関係に疎くても、常識よ、常識」
ぐさっ。
ぐさぐさっ。
言葉のナイフが僕のやわらかいところに突き刺さった。
「……じゃあ、パンツがどうのこうのってのは、関係ないじゃないか」
「関係あるって言い出したの、Sさまでしょう?」
「ぐ」
「え、じゃあさっき話してた、『いちごとストライプならどっちが好き』っていう質問のこたえ、あれはズボンのことじゃなくて、下着のことを話してたって事?」
「もう、許してくれ……」
たのむから。僕を殺してくれ。
「いや、……だとすると、おかしなところがあるな」
問題編 『いちご50%②』より
>「いちごとストライプが2人ずつか。ってことは? なぎさ先生は?」
>さとるが再度聞き直すが、なおやは首を振る。
>「さぁね。わからないってば」
「ズボンなら『溺愛』が言うとおり、誰が見ても明らかだったはずだ。なおやがなぎさの履いているパンツ……ズボンが何の柄だか分からないのはおかしくないか?」
「うーん、もしかして、ここじゃない?」
『溺愛』が指摘をした。
問題編 『いちご50%①』より
>「なぎさ先生の履いてるやつ、短くないですか?」
(中略)
>まなみがダッフルコートの裾からのぞく絶対領域の部分をつついた。
>ダッフルコートとニーハイに挟まれた絶対領域には、雪のように白い肌がちらりと見えた。
>「もしかして何も履いてなかったり?」
>「ばーか。そんな訳ないでしょ。今日はアスレチック行くんだから」
「なぎさのダッフルコートの裾から絶対領域が見えてたってことは、ダッフルコートが邪魔をして、皆からは何のズボンを履いていたのかは分からなかったってことじゃない?」
「絶対領域というのは、ニーハイとミニスカートの間にある太ももがちらりと見える、あれの事だろ?」
『最強』が指摘をする。
「ううん。さっきも言ったけど、冬のアスレチックにミニスカートを履いてくるとは考えにくいわ。きっとなぎさはショートパンツを履いていたのよ!!」
「ショート……パンツ……?」
パンツ恐怖症になってしまった。
それはズボンか、それとも下着か。
「Sさまのために一応説明しておくと、ひざ上くらいや太ももの付け根ギリギリくらいまでの長さの短いズボンのことね。短パンみたいなものよ」
「あぁ、あれな」短パンは分かる。
「そ。なぎさは短い丈のズボンを履いていたから、ダッフルコートの裾に隠れて、なおやはそれが何の柄のズボンかわからなかった。それなら不思議でもなんでも無いでしょう?」
そう。それなら不思議でも何でも無い。
いや、違う。それはまた違った矛盾を生む。
「それだとまた最初の疑問に戻るだろう。どうして誰も見たことの無いなぎさのズボンを、まことが知っていたのか?」
何度も言うように、『いちごとストライプが2人ずつ』だと話すことができるのは、全員のズボンを知ることができる人だけだ。
「なぎさがホテルに着いた後でダッフルコートを脱いだんじゃない? そのときに見たとか」
「いや、その可能性は低い」
問題編❷『いちご50%②』より
>「うんうん。それにしてもなぎさ、今日は短いの履いてきてなおやくんに猛烈アタックしてたと思ったら、ホテルに着くなりかわいいの着替えちゃってるじゃん。それも『ストロベリー・ジョセフ』の新作でしょ?」
>なぎさは部屋着というか、パジャマを着ていた。イチゴ柄のかわいいパジャマだった。
「なぎさはホテルに着くなり、部屋着に着替えている。昼に着ていた服はコート以外すべて洗濯して、部屋に干していた。そうすると、彼女のパンツを知る機会はたった一つしか無い」
「え?」
たった一つの、犯人への手がかり。
たった一つの、パンツへの足がかり。
「彼女の部屋に干してあるパンツを見る機会は、彼女の部屋に行くしか無い。それに、現場はオートロックだ。マスターキーはホテルの従業員しか持ち出せないのなら、彼が彼女の部屋に入ることができるのは、なぎさが生きているうちしかあり得ない」
これが、正解にたどり着くことのできるたった一つの方法、だったのか。
「現場がもし『密室』ではなかったとしたら、被害者の部屋に干していたパンツの柄はいつでも知る機会があったかもしれない。しかし、『密室』であったからこそ、犯人がなぎさのパンツを知る機会はひとつしかなかった。逆に言えば、なぎさのパンツの種類を知ることができた人こそが犯人!」
『空欄』の問いの答え。それはただ一つ!
「警察を欺き、逮捕から逃れるための『密室』。そして犯人特定のために重要な選択肢は、『密室』。なぎさを殺したのは、まこと。彼が犯人だ!!」
第7話 エピローグ
「…………正解!!」
パンッ
とクラッカーのはじける音がした。
「いやー、『怠惰』だけだったら騙せると思ったんだが、『溺愛』のアシストがあったら敵わないな」
『最強』が頭をかいた。
「あのままSさまの誤解を解かない、という選択肢もあったのかなぁ」
僕は頭を抱えた。
パンツなんて、そんなわかりにくい言葉を使うな!
「下着はパンツじゃなくてショーツって言うの。覚えておいてね、Sさま」
「あぁ……」
今日のことは忘れられないだろうな。あらゆる意味で。
「どうだった? 『キャット&チョコレート』方式の出題は」
「回答者側に有利な条件だと思っていたけれど、かなり苦戦したよ。出題者側が上手かった」
今回は『空欄』相手に辛勝といったところだ。
でもな! 『いちご50%』というタイトルに悪意があるだろ!!
「また定期的にやるから、覗いてくれよ。『怠惰』は探偵サイドのエースだからな。サービスするぜ」
「そうだな。また来るよ」
なんだか、今日はどっと疲れた。あらゆる意味で。
「ねぇ『最強』。今度開発してくれない? Sさまを殺す凶器。『縞パン』っていうんだけれど」
「あぁ、悩殺ってことか? お安いご用だぜ」
『溺愛』と『最強』がふたりしてこちらを見てにやにやと笑う。
「帰る!!!!」
「あぁ~ん、待って~、Sさま~!」
「またのご来店をお待ちしております」
にやにやと。店主の笑顔が脳裏から離れない。
試合に勝って、勝負に負けた気持ちだ。
まったく、新年早々。嫌な幕開けだ。
僕はらせん階段を登る。店の出入り口はひとつ。
重たい鉄扉を開いて、一般人に戻ろう。
◆◆◆
次回はどんな謎が待っているのか。
店主はカードをシャッフルして、次のカードを三枚選んだ。
カードを確認して、店主はにやりと笑った。
TRICK ROOM
『いちご・マフラー・密室』後編
完
最終話 現実
悲しい事故が起きてしまいました。
都立方眼高校の2年、西川なぎささんが、修学旅行中に一酸化炭素中毒で亡くなりました。
ホテルのストーブの不完全燃焼が原因と見られており、警察はホテルには当時の換気状況や、設備の不備が無かったかを厳しく追求するとのことです。
修学旅行中の事故……。再びこのような悲劇が起きないように設備の管理を徹底していってもらいたいですね。
それでは、次のニュースです。